@舟を編む
ペンネーム:Y先日観た、「舟を編む」という映画がとても魅力的で面白かったのでご紹介いたします。
(2012年本屋大賞に輝いた同名小説の映画版)
「辞書は舟。広大な言葉の海の中から、誰かと繋がるために的確に自分の気持ちを伝えられるための舟(辞書)。」
この作品は、そんな理想の辞書を作る(編む)仕事に情熱を注ぐ人たちと、そんな彼らを支える人々のドラマです。
編集方針は、言葉の語釈には形式的なものではなく、今を生きている人に寄り添うための、“生きた”語釈を与えていくこと。
しかし、ものが売れにくい時代。ただでさえ新しいものをつくるのに10年から数十年という時間がかかる上に、社会で存在感が薄れている紙の辞書に対する会社からの扱いは決して恵まれたものではなく、辞書編集部には困難が突きつけられます。
困難な状況に一時は暗礁に乗り上げそうになりつつも、それでも情熱、理解者の支え、そしてチームワークが実を結び、時間をかけながらも次第に理想の辞書は形を成していきます。
用例採集、見出し語選定、語釈執筆、レイアウト、校正といった地味な作業の数々。
私たちの日常の業務で馴染みのあるものも無いものも、映画を通して観てみるとどれも新鮮で、また、「言葉」、「紙媒体」、「仕事」、「人間関係」など、多くのことを改めて考えさせられました。
また、物語が素敵だったことに加え、個人的に大好きな俳優が多く出ていたことや、作品の魅力を引き立たせる音楽の数々も、引き込まれる要因だったかもしれません。
作品は現在DVD、ブルーレイで販売、レンタル中です。